いすゞ自動車・日野自動車
エルガ・ブルーリボン QRG-/QPG-/QKG-/QDG-LV/KV290


 2000年にエルガが発売されてから15年ぶりにフルモデルチェンジをし、2015年8月に東京モーターショーにて発表され、のちに発売されたのがこの車です。2段の過給ターボを搭載したことでダウンサイジング化にできたエンジンで、大型路線バスとしては初となる直列4気筒エンジンの4HK1(5193cc)シリーズの4HK1-TCN型エンジンに尿素SCRを加え、やや出力を上げた4HK1-TCS型エンジンを搭載して、出力は250psとなっています。ノンステップエリアは、座席数の確保のため、前扉をグライドスライドドアから折り戸にして、後部のステップを工夫したことで広さを確保されています。また、オーバーハングは短縮され、L尺(ホイルベース4.8m仕様車)がなくなった分N尺(ホイルベース5.3m仕様車)が短くなったようです。前扉が折り戸で採用されたので車高もやや高く設定されています。燃料タンクは左側前輪のタイヤホイル一体となるように取り付けられ、助手席部にあたる座席は廃止されています。ヘッドライトは、日野自動車での販売向け仕様の2灯式に変更し、大型化、ディスチャージヘッドライト標準装備になり、暗い夜道でも照射距離がグンッと伸びました。また、ウインカーは、ヘッドライト下に移動され、フォグランプも白色LEDライトに変更されています。エアコンの室外機カバーの形状は前モデルから変更され、公式側のエンジンルーバーは前モデル同様にありません。また、非公式側のエンジンルバーの形状が変更されています。この世代のとき、ノンステップ仕様のみの設定で、ツーステップ仕様は、旧モデルで販売されていました。排ガス規制記号は、大型路線バスとしては初めてのQRG-を取得され、車両の仕様によって排ガス規制記号が変わります。
(名古屋市交通局 QKG-LV290N1)


内装も変更され、照明の配置が左右共に少し外側にずれ、カバーは連続するようになり、全席進行方向前向き配置になりました。また、非公式方の折りたたみ座席は、オプションで2人掛け座席仕様もあり、一部事業者で使用例があるそうです。座席自体も変更され、シートバックの握り手は、シート上部に取り付けられ、デザインが変更されています。また、後部へ向かうときのステップはやや低めに設定され、前モデルより移動しやすくなっております。オーバーハングが短くなったこともあり、後部の座席数は2人分減少させられています。車両自体も短くなりましたが、ノンステップエリアが全席進行方向前向きになり安全性が確保され、さらに通路の広さも確保され、高さがある程度高くなったため、それほど車内の圧迫感は感じられないような設計になっています。また車椅子用スロープは反転式になり、設置する時間が省け、乗降の促進が期待できます。
LV/KV290*1の内装(事業者によって多少異なります)

↑変更された握り手のグリップと↗変更された車内灯のカバー

↑新たに新設された座席と↗燃料タンクと一体化されて廃止された助手席

↑LV/KV234*3の非公式側エンジンルーバーと↗LV/KV290の非公式側エンジンルーバーの形状の違い

スペック


型  式:LV290N1・LV290Q1(いすゞ自動車)
     KV290N1・KV290Q1(日野自動車)
エンジン:4HK1-TCS(排気量 5193cc 出力 250PS)
燃  料:軽油 160ℓ
変速装置:6速AMT(自動モード付き)・6速AT
着席定員:N尺 27人 Q尺 29人

製造会社および販売会社 公式サイト


日野 ブルーリボン